●耐震改修工事の流れ
実際の工事作業は、次のように進めていくことになります。
1.耐震改修工法の比較検討と最適な工法の選択
委員会などの検討組織において専門家のアドバイスなどを受けながら、複数の工法を比較検討し、最適な工法を選択します。なお、この選定についてはあらかじめ住民アンケートや説明会を実施し、区分所有者の理解を得ておくことが重要です。
2.概算費用の検討
この段階では設計を行う前の見積もりであり、各工法を選択する目安となる概算額レベルでの費用と考えられます。ただし、直接工事費だけでなく、設計、コンサルテーション、鑑定などの間接的な費用もある程度想定して概算費用を算出するようにしてください。
3.区分所有者間での負担配分方針の検討
選択した工法によっては、低層階の一部の住戸や角住戸だけが専有部分の面積減少や日照などの影響を受ける場合も想定されます。
影響を受ける住戸への補償などの方法についてあらかじめルールを検討し、確認しておくことが望ましいと思います。
最終的な費用や補償費などの負担配分は不動産鑑定士などの専門家を交えて決定することを確認しておくことも大切です。
このような条件を整えた上で、合意形成を行うことになります。
耐震改修工事の最終的な意思決定は、区分所有法の規定にもとづいて管理組合の集会(総会)において決議によって行います。
集会での決議が成立すると、決議で選択された方法に沿って耐震改修工事の実施段階に入ります。まず、設計者を決めて実施設計を行いますが、通常はここまで複数の計画案を検討してきた設計者が引き続き実施設計作業を行うことが多いと思います。
この実施設計の内容にしたがって、工事金額の見積もりを行い、競争原理を導入しながら工事施工者を選定しなければなりません。工事会社の選定は、透明性を確保してわかりやすい方法で行うことが必要です。